1. 敷地調査・与条件整理(2〜4週間)
最初にやるのは土地の現地調査と法的調査です。地形・前面道路・隣地・電気ガス水道の引込み位置を実測し、用途地域・建ぺい率・容積率・斜線制限・防火地域の指定を法務局と役所で確認します。この段階で建てられる最大ボリュームと、建てられない部分が確定します。
同時にお客様のご要望を整理。家族構成、ライフスタイル、車所有数、収納量、希望予算と工期、好みのテイスト。これらを一枚のシート(基本設計与条件書)にまとめます。
2. 基本設計(1.5〜3ヶ月)
与条件をもとに、平面・立面・配置・断面を検討します。アウトプットは概略図面、模型、概算工事費。ここで構造(RC造/木造/鉄骨造)と階数、おおよその予算規模が決まります。3〜5案を比較しながら、最終1案に絞り込みます。
3. 実施設計(2〜4ヶ月)
施工に使える詳細図面を作成します。意匠図・構造図・設備図の3セットで合計100〜200枚。仕上げ材一つひとつまでスペックを決め、施工会社が見積もれる粒度に持ち込みます。ここまでに決め切れなかった内容は、現場で必ずトラブル化します。
4. 建築確認申請(1〜2ヶ月)
実施設計図を指定確認検査機関に提出。建築基準法に適合しているかチェックを受け、確認済証を取得します。RC造や3階建以上は構造計算適合性判定も必要で、ここで+1ヶ月の追加が発生することも。
5. 施工会社の選定・契約(1〜2ヶ月)
2〜4社に競争見積もりを依頼。価格だけでなく、過去実績、現場代理人の経験、工程表の妥当性を比較します。契約は工事請負契約書 + 設計図書一式が基本セットです。
6. 着工〜上棟〜完工(6〜18ヶ月)
地鎮祭ののち地盤改良・基礎・躯体・屋根・外装・内装・設備の順に進みます。RC邸宅で14〜18ヶ月、木造で6〜10ヶ月が標準。監理建築士は2週に1度以上現場に入り、図面通り施工されているかを確認します。
7. 完了検査・引き渡し(2〜3週間)
完工後、検査機関の完了検査と、施主の竣工検査(指摘事項リスト=是正リスト作成)を行います。是正が終わったら検査済証・登記識別情報・各種保証書をまとめて引き渡し。鍵を受け取って初めて「家ができた」ことになります。
日本の建築フローで最も時間がかかるのは設計と確認申請。逆に施工そのものは精密で速いです。「設計4ヶ月、申請2ヶ月、施工12ヶ月、検査1ヶ月」が邸宅建設の標準モデルです。