1. 動線上の収納 — "しまう場所"を旅させない

日本住宅の収納設計で最も重視されるのは「使う場所のすぐ近くに収納がある」こと。コートは玄関、掃除機はリビング横、本は階段下。動線分析で「持って歩く距離」を最小化します。

2. 玄関の土間収納(シューズインクローク)

邸宅では2〜4畳の土間収納が標準化。靴・ベビーカー・ゴルフバッグ・スーツケース・防災備蓄を全部ここで吸収。家の中に泥や砂を持ち込ませない設計です。

3. ファミリークローゼット

個室にクローゼットを分けず、洗濯動線の上に4〜6畳のファミリークローゼットを一箇所だけ作る方式。洗う → 干す → しまうの動線が3歩で完結。共働き家庭の標準解になりつつあります。

4. 押入れ・小屋裏・床下

季節物・思い出品・備蓄を吸収する"奥行きの収納"。押入は奥行き80cmで布団・座布団・家電を立てて収納。小屋裏や床下は1.4m以下に抑えれば床面積に算入されません(容積率対策にも有効)。

5. 隠す収納 vs 見せる収納

ホテル的な"隠す収納"(フラットドア、ハンドルレス)と、雑貨を飾る"見せる収納"(オープン棚)を用途別に使い分け。隠す収納の比率を80%以上にすると、ノイズの少ない上質な空間になります。

6. パントリーと冷蔵庫の位置

キッチン横の2〜3畳のパントリーは、買い物動線(駐車場 → 玄関 → パントリー)と料理動線の交点に置きます。冷蔵庫は壁に埋め込む or パントリー内に納めることで、リビングからの視界をクリーンに保ちます。

7. 寸法の標準値(覚えておくと便利)

コート用ハンガーパイプ奥行き60cm × 高さ180cm
シャツ用ハンガーパイプ奥行き55cm × 高さ100cm × 2段
本棚奥行き25〜30cm
布団収納(押入)奥行き80cm × 高さ80cm
家電(掃除機・ロボット掃除機)奥行き45cm × 幅60cm
収納は「容量」ではなく「動線と寸法の最適化」で決まります。「とりあえず大きく作る」よりも、「持ち物リスト × 動線」を緻密に設計するほうが、長く快適な住まいになります。