1. 「陰翳礼讃」の現代訳
谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』で、日本美は"明るすぎないこと"に宿ると説きました。現代住宅でも、全ての部屋を均一に明るくするのは安っぽさの元凶です。
2. 自然光のコントロール
深い軒(1.5〜2m)で直射を切り、和紙や格子で拡散させる。「直接光ではなく反射光」を主役にする設計で、空間は奥行きを持ちます。南面の大開口は冬の主役、夏は軒で守ります。
3. 人工照明のレシピ
- 色温度:2700〜3000K の暖白色で統一(5000K の白色光は事務所感が出る)
- 器具:ダウンライト一辺倒は避け、間接光・ブラケット・スタンドを組み合わせる
- 照度:壁面 100lux、作業面 300lux、寝室は 50lux 以下まで落とす
4. 反射素材と吸光素材の対比
研磨石材・ガラス(反射)×漆喰・無垢材・布(吸光)。反射素材を 20%、吸光を 80% がリッチさの黄金比です。
5. 用途別の光の作り方
玄関は意図的に暗くして"内に入る儀式"を演出。LDK は明るく、寝室は段階的に暗くする。バスルームは天井から壁を伝う光で温泉ホテルの質感を狙えます。
「光が当たる場所」より「影が落ちる場所」を先に決めるのが、日本流の高級空間設計です。